季刊 表現の技術

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魔女に呪いをかけられた

魔女に呪いをかけられて、1日を12時間にされてしまった。

本来24時間ある1日が12時間になってしまうと、1日があっという間に過ぎてしまう。三度の食事をして、労働して、風呂に入って、歯を磨くと、もう寝なければいけない時間である。ブログを書いている暇もない。本を読む時間も、音楽を聴く時間もない。YouTubeは再生速度を1.5倍にして見ないといけない。ゴミを出す時間もない。じっさい部屋のゴミ箱が溢れている。

今日は魔女の呪いについてひとつ発見があった。詳細は述べないが、実際には、魔女は1日をわずかに10%、2時間と24分減らしているに過ぎないのだ。魔女はある種のサイコロジストでもあって、1日が10%だけ短くなると、あたかも1日の長さが半分になったように感じる、という人間の認知バイアスにつけこんでいるのである。

本当は、私の1日はまだ22時間近いのだ。燃えるゴミぐらいは出せるはずである。理屈ではわかってはいても、主観的にはやっぱり12時間しかない。「本当は2時間ちょっと減ってるだけだぞ!」と自分に声援を送るくらいしか、できることはない。