季刊 表現の技術

すべての人間に公開

はじめかたいろいろ

料理全然しない人がいて、家には包丁もない。サッポロ一番が作れる小鍋だけがある。

この人が料理をはじめるとき、いろんな行き方がある。

①手近なカッターナイフとかハサミを使って味噌汁を作ってみる。

②包丁とか道具一式を買い込んで独学をはじめる。

③料理教室に通って包丁の持ち方からみっちり教わる。

 

順に、①リソースをなるべく投入しないではじめられることからはじめるやり方、②ある程度リソース(商売でいう資本)を投入してやる方法、③ドカンとリソースを投入する方法である。

どれがうまく行くかは人それぞれで、たとえば③で退路を絶って短期間でできることを増やしていく人もいる。

しかし、これが向いてるのは、相当にエネルギッシュの人です。

ぼくは①が向いていると思うので、なにかをはじめるときはもっぱらカッターナイフで豆腐を切るようなことからはじめる。おもしろくなってきたらリソースを投入していけばいい。包丁を買ったりフライパンを買ったり。

②とか③のやり方で、下手に初期投資をしてしまうと、「無駄にしてはいけない」という意識が義務感に変じ、楽しくならないことが多いように思います。

あと余談ですが、別に料理初心者でなくても、味噌汁にネギを入れるときは鍋の上にこう、ネギを構えてですな、ハサミでチョキチョキと切っていくのが楽ですよ。