季刊 表現の技術

すべての人間に公開

にちようび

電車に乗ったらすごく短いスカートをはいた人がいて、下着は見えなかったけどお尻の肉が少し見えた。そのくらいの微妙な丈だった。ぼくの前に立っていた人が、新聞を最大に広げて読み始めた。最大ということは、2ページ分の面積である。日曜でそんなに混んではいなかったけれど、新聞を最大拡張する人はひさしぶりに見た。恵比寿で乗り込んできた小柄な人はポシェットを肩にかけており、小柄という利点を生かしてということなのか、広げられた新聞の下をくぐり抜けて隣の車両に走っていった。新聞の読者はなぜか気分を害したような顔で後ろ姿を見送った。尻肉の人は連れの水商売風の女性と会話しながら渋谷でおりた。