季刊 表現の技術

すべての人間に公開

何見てもろくでもないことばかし思い出す

そんなときがある。たとえば武田久美子さんの貝殻水着写真のような優れた芸術作品に触れても感動できない。そのかわり、学生時代にバイト先の飲み会で上裸になって刺盛りの貝殻を乳首に当てて踊ったが、むしろ懇親会場(座敷)から笑顔が消えたーーといった出来事を思い出して暗い気持ちになってしまう。このように何を見ても暗い気持ちにつながる連想、回想が働いてしまうときがある。今日がそうだった。そういうときは「ああ今日は貝殻の日だ」と自覚して諦めるしかない。