季刊 表現の技術

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W君のゆううつ

将来を嘱望された気鋭の研究者だったが、30過ぎて急に病気になって、長期間の療養のあと、なんとか職場復帰はしたものの、休み休みしか働けず、結局、退職を余儀なくされ、

 

「学生時代の友人たちはバリバリ働いて結果を出している、それにくらべて俺はなんてダメなんだろう。働き盛りなのに働けない俺はダメなやつだ。ダメ人間なんだ。

…しかし、考えてみると納得いかんな。俺は俺で死ぬ思いで人生と格闘しているというのに、バリバリ働いてないからダメだなんて一刀両断にされるのは納得が行かない。

なんで働いてないとダメなの?

そもそも、働いてるやつは偉い、働いてないやつはダメという倫理観はなんなの?誰が言い出したの?」

という、自分にとってのっぴきならない疑問を突き詰めたW君こと、マックス・ウェーバーの主著こそが『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』なのである。

ということを、ウェーバー研究者の先生が書いていて(ちょっと脚色したけどね)、なるほどと思いました。

 

他人の役に立つのが仕事だけど、自分の悩みを解決したり、自分が困ってることをなんとかするためにも仕事をできたらいいな。